メケメケ

メケメケ

町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

チラシの作成サービスを始めました

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Photo by Bank Phrom on Unsplash

ども。檀原(@yanvalou)です。

4月14日と16日、福岡の編集プロダクション「イージーゴー」さんに間借りする形で東京ビッグサイトの「コンテンツ東京」に参加しました。

www.content-tokyo.jp

通常参加費が10万円以上掛かるイベントですが、間借りすることで無料で出展出来ました!

しかし「一般入場者として来場し出展ブースを訪ねてしまえば無料で営業できる」という事実を教えられ、なんだか微妙な気分になっています……。
確かにそうですよねぇ。

さて出展にあたりチラシと料金表を作成しました。
DTPソフトを立ち上げるのは数年ぶりでしたが、なんとかなるものです。
こんなものが出来ました。

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そのまま勢いに乗り「ココナラ」にもチラシ作成サービスを出品してみました。

キャンペーン価格でチラシの作成いたします 店舗案内、イベント、 DM、メニュー表。幅広いジャンルに対応

最近はいろいろ思うところがあり、人生の曲がり角に差し掛かっていると感じます。
年齢からすれば、冴えないおっさんだしね。
ぼちぼちやっていくだけですよ。

今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!

クラウドソーシングで売れるライターのポートフォリオは、なぜスカスカなのか?

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ども。檀原(@yanvalou)です。
仕事の足しにしようと考え、数年前にクラウドソーシングに登録しました。

一応それなりの実績があるので、タスク仕事やコタツ記事はスルーして取材記事・インタビュー記事などを中心に活用中です。
悩みはまったくリピート依頼がなく、直接依頼も来ないことです。

 

実績があっても、なぜか受注がリピートされないランサーズ

クラウドソーシングが上陸したばかりの頃、ほかの人たちがどうやっているかググったところ

「元新聞記者で寿退社したが、育児の合間を縫って働きたいと考え登録した。しかしまったく仕事が取れないので、屈辱だと感じつつも、無署名で1文字0.数円のつまらない記事を量産して実績を積み上げた」

などという体験談をみかけました。

これがすべてを言い表している気がします。

僕が使っているのは主にランサーズですが、まったくリピーターがつきません。
クラウドワークスも試しに登録しましたが、そもそも仕事が取れませんでした(ただし発注者として利用したことはあります)。

ランサーズでなにより不満なのは、過去にランサー・オブ・ザ・イヤーに輝いたあるライターさんが、むかし自分が働いていた新興の小出版社の仕事を受注して本を出していることです。

この出版社のことは過去にこのブログで書いています。

 

www.yanvalou.yokohama

www.yanvalou.yokohama

 

その本はオンデマンド本で通常の半分程度のボリュームしかなく、Amazon以外の場所ではほぼ買えません。
注文が入る度にする印刷するシステムですから、部数も「察してしるべし」。
つまり一般的な商業出版の基準を満たしていない本です。
(自分のいた会社の本なので、その辺りのことはよく知っています)

実際にそのライターさんが書いた本自体も読んでいます。
『アメ車の95%はメーターを巻き戻されているのか?』という本です。
クオリティーに関しては「まぁこんなもんか」で、そもそもテーマがテーマですのでウェブでも読めそうな水準でした。
もちろん一口にウェブと言ってもピンキリです。

アメリカから輸入されている中古並行車の95%以上がメーター巻き戻しをされている履歴改ざん車だと言われている。 友人の中古車ディーラーから話しを聞いた著者は、国内における中古並行輸入車の販売実態を探るべく精力的な取材を開始した。

じつはこのランサーさんと直接話したこともあるのですが、そんな本でも「本を1冊書いた」ということでクライアントの印象が良いらしく、それで仕事を取れるようになった、ということでした。

僕は単著を3冊出していて、その内1冊は誰でも知っている中堅の版元から発売しています。
にも関わらず、そのランサーさんが言うようにはなりません。
なかなか仕事が取れず、ましてや直接依頼やリピートなどもありません。

つい先日もある案件に提案して選ばれなかったのですが、明らかに自分よりレベルの劣るライターが選ばれていて、本当にがっかりしました。

ポートフォリオはバッチリ作っていますし、仕事もきちんとした品質で提出しています。
プロフィールは写真こそ出していませんが(イラストです)、本名を出しています。
落ち度として考えられることはなんでしょうか?

 

なにか大人の事情がある?

あらためて検証して気がついたのは、「なぜかランサーズでは、売れっ子さんほどポートフォリオがスカスカだ」ということです。
これは特定の誰かの話ではなく、売れっ子さんに共通する傾向として、みなさんポートフォリオがスカスカなのです。

いえ、正確に言うと大分前から気付いてはいて、気になっていたのです。

「直接依頼が多いから」
「リピーターが多いから」
「だから充実したポートフォリオを作る必要がない」

という話なのでしょうけれど、では最初のうちはどうしていたのでしょうか?

この件はとある売れてるウェブライターさんに直接訊いたことがあるのですが、スルーされてしまいました。なにか大人の事情があるのでしょうか?

改めてランサーズのなかの「クラウドソーシング相談室」で、やはり売れっ子の大塚幸一さんに訊いてみたところ、以下のような回答が寄せられました。

ポートフォリオに関してはこれは自分の環境、考え方ですが
・秘密保持契約があるため基本的に公開できるものがない。
・イラストや制作物デザイン系以外だとそもそも自分は見ないので載せていない(発注側に立った時)

これが自分の考え方です。

最初のうちに…というのは特に実績を見せないといけないということで
実績100〜200ぐらいまで頑張ろうと自分はめちゃくちゃ安い仕事でも受けてましたよ(笑)
今でこそ何もしないでも仕事は入ってきていますが、認知されるのはそれしかないというのがあったんで。

例えばこれは発注者側に回るとよくわかるのですが、みんなコピペでの提案が多く、冒頭に立った一文、相手のことを添えて提案すればそれで受注率とか変わりますし、そういった細かい部分、プロフィールの書き方など何処までやっているか。何を参考にしてやっているかなど工夫は必要になってきます。

(中略)

普通の依頼だとか10人提案がきても9人コピペですから〜どんな実績がある人よりも
コピペしてこなかった1人に発注しました(-_-;)

 

つまり言い換えれば「無署名の仕事が多いから、表に出せない」ということなのでしょう。

僕は未経験のウェブライターでも、経験を積めば署名記事を書くライターにステップアップしていくのだと思っていたのですが、そういうものではないようですね。
ときには記名記事を書くチャンスも廻ってくるのかも知れませんが、基本的には無記名記事を量産しつづけるだけのようです。

そしてクライアントの方も、わざわざポートフォリオを見るのは少数派なのだと思います。

これはほかの方に言われたことですが、ランサーズは「成果物はそこそこのクオリティでいいから、安く仕上げたい」というクライアントが発注する場だそうです。

確かに自分の経験からも、アフィリエイターが記事の作成を外注したり、編集経験ゼロの人が「編集長です」と言って個人でメディアを運営・発注してたりというケースが多いので、その意味は分かります。

 

ライターを単なるコマとしか考えない編集部

ただ自分は法人のクライアント案件メインで提案しているので、納得いかない気持ちもあります。
法人もオウンドメディアだと考え方が違うのでしょうか。

先方が報酬を指定している案件も結構あり、そういうケースでは提案金額も横並びのはず。
あるいは「何が何でも仕事をとりたいので、クライアントの提示額よりも安い金額で交渉してくるランサーが多い」ということなのでしょうか。

ここまで書いて思いだしたのが、僕が住む横浜エリアの有名ローカルウェブメディア「はまれぽ」です。

hamarepo.com

じつはこの媒体が立ち上がるとき、僕はスカウトされて1本だけ書いたことがあるのです。
「はまれぽ」の運営母体は IT 機器のリース会社で、この当時編集部には編集経験者が一人もいませんでした。つまりど素人の集団でした。
にもかかわらず、すごい上から目線だったのを覚えています。
ライターを単なるコマとしか考えていないことが、良く分かる会社でした。
「ライターは言われたとおりのことをしていれば良いんだよ」という態度。
僕が知っている世界では、編集部というのはライターと一緒に記事を作っていく場所という感覚があるのですが、「はまれぽ」では【発注主と下請け】という関係でしかありませんでした
まるでメーカーと系列の下請け工場のような上下関係です。

「まったく経験がないど素人集団にも関わらず、なぜこの人達は偉そうなんだろう」とひじょうに不思議に感じたことを覚えています。
たぶん彼らにしてみたら「金を出しているから、雇っているから、自分たちはお前より上だ」という感覚だったのでしょう。

 

残念ながら新しいクライアントとの出会いの場にはならなかった

クラウドソーシングの世界も「はまれぽ」と同じなのかも知れません。
「成果物はそこそこのクオリティでいいから、安く仕上げたい」そういうクライアントが発注する場なのでしょう。
それこそ100円ショップに収める商品の発注元と工場のような感じなのかも知れません。

ほんとうにクリエイティブな仕事をしてきた人物であれば、一緒に作る姿勢があるはずです。

ある方から

ランサーズってプロ意識の高いライターを求める層がめちゃくちゃ少ないと思います。

そもそも本も出してらして、ある程度収入があるなら、ランサーズは卒業されたらどうでしょう。
自分個人で受注するほうが、よっぽど高い案件が取れる気がします。

ランサーズは「月5万円の収入を目指そう」という内容で講座を行っていたりしますが、そもそもライターを生業にするなら、「1日5万稼ごう」じゃないと生活できませんよね。
そういう意味でも、あなたには合わないだけだと思います。

と言われました。

そこまで稼げていないからこそランサーズに登録したわけですが、確かにミスマッチだったのでしょう。

 

カツオの一本釣り用の竿でワカサギ釣る

別の方からもこんな風に言われました。

他のウェブサービスと同様に自分の情報やセールスポイントなどをきちんと打ち出していて、それでも特定のウェブサービス”だけ”リピートがないのであれば、考えられるのは1つだけ。
『客層が違う』ということ。

ランサーズのライティングのクライアントは割と緩い会社や担当者が多い。
単価もね。
そういう客層の場合、自分の緩い発注でもそれなりの仕事をしてくれるランサーを好む。
打ち合わせとか指示とかしなくても納品してくるような感じのライター。
それなりの〜というのは、緩い担当者でも理解できるレベルの仕事のこと。
質問文にもあるけど、「明らかに自分よりレベルの劣るライターが選ばれて」というのは、そういう緩い担当者だから見る”目”がナイということだろう。

そういう見る目のないクライアントに対して、質問者の仕事は合ってないのではないかな?
これは他の営業ゴトでも同じだけれど、自分の商品を買う人がいない場所で売り込みをかけても徒労に終わる。
カツオの一本釣り用の竿でワカサギ釣りをするようなものだ。

同じ Web上のサービスでも「ココナラ」では複数の方にリピートして頂いています。
値上げしても再発注してくれるクライアントもいます。

ランサーズ”だけ”リピートがないということは、そこにいる客は質問者の仕事と合わない、客層が合わないということ。
(そのクライアントが単発仕事しか出さないというのもあるけど)

そういう客層が釣れそうなキャッチーな仕事とポートフォリオに切り替えるのもいい。
それともそのウェブサービスは切ってしまうのもいいと思う。
サービス上で表示される実績数も積めないしね。
カネがかからないので出しておくだけでもいいけどね。

こちらとしては顔のある書き手として「見つけてもらう場」「出会う場」として捉えていたのですが、発注側は中国や東南アジアの工場に安く作らせるのと同じような感覚しか持ち合わせていないのかも知れません
少なくとも僕にとってランサーズは新たなクライアントとの出会いの場になっていません。

いまは自分でウェブメディア作ることを検討しています。

 

のと暮らし……心地よい漆黒としじまに包まれて

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星空by nidate

ども。檀原(@yanvalou)です。

「のと暮らし」シリーズの最終回です。

志賀町の滞在中、就寝前に玄関前のステップに腰を下ろして夜空を見上げるのが習慣でした。単純に「空気が綺麗だから、星もよく見えるんだろうな」と思って始めたことです。夜の志賀町は、それこそ墨を流したように真っ暗です。外に出たら最後、自分の足さえ見えません。しかし上を見上げると、無数の星々が瞬いていることに気付くのです。

遠方から、飽くことを知らぬカエルの合唱が聞こえてきます。田圃のただ中にいる訳ではないのに不思議ですが、どこかに田圃があったのでしょうか? かなり距離があるらしく、ソフトな音量でした。

 

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志賀町・米町地区。夜は一面の漆黒

 

周囲には動くものの気配はありません。
ときどき思い出したように、車の通り過ぎる音がします。しかし視野には入ってきません。

静寂と平安。すっかり満ち足りています。

蛙の声を聞きながら缶ビールを啜り、ぼうっと考え事をします。明日も早い。もう寝ましょう。

 

のと暮らし……稲穂に埋もれるようにして歴史が息づいていた

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ども。檀原(@yanvalou)です。

志賀町と言えば「能登金剛」など海沿いの風光が売りですが、じつは内陸部にも見るべきものがあります。

まずは、茅葺きの拝殿をもつ「松尾神社」です(トップ画像)。緑豊かな地域のなかに佇む落ち着いた神社です。この建物は石川県の重要文化財建造物に指定されているのだとか。創建は室町時代だそうですが、もしかしたら創建当時の形を留めているのでしょうか?

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戦国時代のキリシタン大名として有名な高山右近の墓も外せません。

キリシタンというと、天草四郎が有名で九州の話と思いがちですが、じつは大阪や福島にもいたことが明らかになっています。そして志賀町にも、キリシタンゆかりの歴史があったという訳です。

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高山右近を記念した公園。5分程度歩くと、右近の墓がある。

大名の地位を捨ててまで信仰を守った右近ですが、慶長19(1614)年、徳川幕府キリシタン禁教令によってフィリピンのルソン島に追放され、63歳で没しました。

右近は大阪の高槻を治めていましたが、一時、加賀藩の客将としてこの地に滞在していました。その関係もあって、右近の没後、娘のルチアと孫の一人がひそかに帰国したとき、志賀町末吉にある高山家の墓を守ってきた家を頼ったのだそうです。そして右近の子孫はキリスト教を信仰したまま、この地に根を下ろしました。現在の当主は16代目だそうですが、代々医者をしているそうです。この記念から5分歩いた場所に、子孫によって建立された右近の墓があります。

f:id:yanvalou:20190720185433j:plain子孫が建立した高山右近の墓

ちなみに右近は2017年に、ローマ法王庁から「福者」という称号を授けられました。「聖人」の次のランクに位置づけられる評価だそうです。

最後は棚田です。能登で棚田というと、どうしても「白米千枚田」に目が行きがちです。しかし志賀町にも棚田があります。能登金剛から近い「大笹波水田」です。

眼前に日本海が広がる「白米千枚田」のようなダイナミックさはありませんが、農林水産省が制定した「日本の棚田百選」に選ばれています。残念ながら、僕は時間がなくて廻れなかったのですが、これから志賀町に行かれる方は立ち寄ってはいかがでしょうか。

蛇足になりますが、関東には段々畑はありますが、棚田は見かけません。ですから「棚田」の読み方が分からなくて、悩みました。「たなだ」だったんですね。

のと暮らし……野良仕事の後のライター業はしんどすぎる

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ども。檀原(@yanvalou)です。

今回の企画、一応「2拠点でデュアルワークを体験する」という触れ込みなので、農作業だけでなくライター仕事にも手を付けました。

ひとつはダイワハウスさんのスタッフブログへの寄稿。
このブログの「のと暮らし」シリーズは、ダイワハウスさんの記事に若干追記したものです。

もうひとつは、自分の特技やスキルを売ることに特化したウェブサービスココナラ」でゲットしたブログ代筆の仕事です。今回はブログの自己紹介の部分、これまでの来歴を三人称で書いてくれ、というご依頼でした。

coconala.com

 

ブログ代筆を頼むメリット

依頼者にとってブログの代筆には「自分が主役かつ当事者になれる」「取材を受け、かつアップ前の確認などを経ることによって、記事づくりの臨場感が味わえる」というメリットがあります。

無名の一個人が主役になれる機会は、そう多くありません。大人になってしまえば尚更です。
しかし恋愛やインタビューでは、誰でも主役になれます

もちろん自分で書かずに代行してもらうことによって、時間や労力が節約出来ます。また他者の視点を通すことで、ものごとを違う角度から見ることも可能です。単純に自分とは異なる文体が新鮮、という面もありますしね。

仕事を受けるこちら側としては、他者の人生が垣間見れて興味深いですし、今後の取材のネタになるかも知れません。そういう意味でメリットがあります。もちろん金銭的にもありがたいです。

 

しかし畑仕事の後のデスクワークはつらい

能登にいた間、農作業したのは7日間。
しかしこれがしんどいんですよ。
畑仕事して、猛烈に腹を減らして帰ってきて、ガーと食べるついでに呑んでしまうと運転できないからどこにも行けなくなります

日常を置いてきているのでストレスフリーなのは良いのですが、基本畑と住まいの往復になります。出勤は片道7キロ。歩いて行ける距離にあるのは、以前紹介した「のと風」さんとガソリンスタンドとバス停くらい。

つくづく

田舎は田舎でも、主要部分に自転車でアクセスできる位の小さな田舎の方が良いな

と思いました。

 

数年前、北海道の日高地方にある浦河町というところに2ヶ月間、体験移住したことがあります。

magazine-k.jp


浦河は襟裳岬の近くにある1万3千人の小さな町です。
しかし驚くべきことに映画館があり、こじゃれたレストランもありました。狭いながらもスナックなどが集まった「ネオン街」のような一角まで存在し、腕にいかついタトゥーを入れたホステスさんがお酒をつくっていてびっくりしたものです。

志賀町は人口2万人ですが、町の中心部が浦河よりも寂しく、感覚的に人口8千人か9千人くらいに思えてしまいます。

休みの日であれば、遊びに行く場所がたくさんあります。地元の方は釣り好きが多いらしく、漁場に事欠かない能登は絶好の環境です。

しかし仕事の後出かける場所がない……。

このブログの記事が「休日に行った場所」ばかりなのは、

休みの日以外、特に書くようなことは起こらない

という理由があるからです。

都会の毒を抜きに短期で来ているので不満はありません。
しかし長く住むのであれば、自分で仕事をつくらないとダメでしょうね。
もしくは売れる本でも書いて、小金を蓄えてから来るか。

 

畑仕事でヘロヘロの状態のまま、Skypeでインタビュー

前述の通り、畑仕事は疲れます。
重いものを持つ訳ではないのですが、あの中腰の姿勢やしゃがんだ姿勢がいけません。
寮に帰って、食べて、飲んで。
すると、泥のように疲れが流れ出て、なにかするのが億劫になるんですよね。
畑に出ている間はそうでもないのですが、帰宅すると気が緩むのでしょう。

正直な話、「もうこのまま寝たい……」と思いました。しかし約束の時間が決まっています。
身体を引きずるようにして、Skype越しでインタビューしました。

ところが!
相手の話が、予想外に面白かったのです。
疲れているのも忘れて、のめり込んでしまいました。
そうして書いたのが、リンク先のエントリーです。
(僕の名前も出てきます)

yukiyoart.com

のと暮らしの記事は、まだつづきます。

のと暮らし……日本最古の木造灯台はあまりにも自然体

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ども。檀原(@yanvalou)です。

そろそろ滞在も終盤に差し掛かってきました。
今回と次回は、改めて志賀町の名所を巡ります。

第5回のレポートでご紹介した「厳門洞窟」は、能登半島国定公園を代表する景観の一つです。

www.yanvalou.yokohama

荒波が険しい断崖を洗って出来た奇岩群「能登金剛」の一部ですが、志賀町には奇岩がまだあります。

本日は寄り道してから奇岩を目指しましょう。

 

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風力発電所が視界に入ると、「遠いところに来た」と感じます

菜夢来さんの寮を出て会社に向かって車を走らせます。
しばらくすると真っ正面に風力発電所が見えてくるでしょう。都会でも海岸沿いの埋め立て地帯で風力発電の風車を目にすることがありますが、いくつも並んでいることはありません。風力発電所が視界に入ると、旅情を感じるのは僕だけではないはずです。

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都会では、まず見かけることのない風車の一家団欒(?)

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生活圏を侵食するかのように、風力発電所

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「仁王立ち」とはこのことか?

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すっかり「風車萌え」してしまいました

 

風力発電所を通り過ぎ、そのまま海に向かいます。入り組んだ福浦港の傾斜地を下ったり上ったりすると、「福浦灯台」のサインが掲げられています。

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この灯台は現存する日本最古の木造灯台で、北前船の寄港地として栄えた福浦の歴史を感じさせてくれます。ただ灯台としては珍しく、ひじょうに狭い生活道路を抜けた岬の先に立っています。

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灯台の周辺には狭い畑が点在していて、あまり観光名所らしくありません。周辺環境も含めて味のある施設だと思いました。

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福浦港を離れ北上します。厳門を通り過ぎ、なおも北に向かうと「猪ノ鼻」という岬があります。この岬も観光名所らしからぬところで、葦の林をくぐり抜け、足場の悪い崖をロープで伝うことでようやく先端にたどり着きます。

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まるで行く手を遮るかのようにロープが張ってあり、しかしめっちゃ整備されて通行の形跡もあり……

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かなりの急勾配でした

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「猪ノ鼻」の先端

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「猪ノ鼻」の葦の茂み(高台)からの眺め

もしかしたら遊覧船で海から眺める方がポピュラーなのかも知れません。あるいは釣り舟で来ることもあるかもしれませんね。海が身近な能登では、釣り好きな人が多いようです。

猪ノ鼻のすぐそばに国道249号線が走っています。海伝いのこの道を「世界一長いベンチ」に向かって行くと、「夫婦岩」と「機織り岩」という奇岩があなたを待っています。

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能登金剛」の一部、「機織り岩」。間近で見ると、かなり巨大

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能登金剛」の一部、「夫婦岩」。こちらはちんまりしていました

のと暮らし……能登では「民家そのまんまの飲食店」がスタンダード?

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ども。檀原(@yanvalou)です。

今回は志賀町で印象に残った「よそ行きではない」飲食店の話です。

とある休日のこと。ランチを食べに行こうと思い、グーグルマップで検索しました。すると菜夢来さんの寮から数百メートルの距離に、スパイスカレーが評判の飲食店があるではありませんか。

「田舎あるある」ですが、志賀町では歩いている人を見かけません。どこへ行くのも車が基本です。それは住まいと職場、そして遊び場が点在しているからです。したがって歩いて食事に行けるというのは、かなりのレアケースです。グーグルや食べログでの評価も高かったので、さっそく足を運びました。

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それがこの「のと風」。
東京暮らしの経験をもつ店長(おそらく30代)が、実家に里帰りして開いたお店です。親御さんが美容院を経営しているらしく、塀のない敷地に一戸建てそのままという外観の美容院とレストランが並んでいます。

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「のと風」のスパイスカレー。ふつうのカレーとのあいがけです。

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基本一人でカウンターを廻しているらしく、メニューはなんでもありでした。それこそ宴会用の刺し盛りからオードブル、カツ丼、揚げ物、そしてカレーまで。
「今度、アゴだしラーメンも始めたいと思っているんですよね」と店長は言います。

彼はミュージシャンでもあるらしく、近隣の町に出向いてギターの仕事もしているそうです。

しばらく客は僕一人でしたから、なんとなく話し相手になってもらっていたところ、素顔の志賀町が見えて来ました。
この店はレストランということになっていますが、実際はカラオケの需要が高く、DAMの通信機器を入れているそうです。店長と同年代の若手から、それこそ80歳すぎの老人まで、みんな自分で運転して歌いに来るとのこと。高齢になっても運転する人は少なくないそうで、店長の祖父は87歳まで運転していたとのこと。その一方で、最近は70代で免許を返納する人も増えているようです。

その一方、のんびり電動カートに乗ってやってくる常連さんもいるそうで、「いつもビール10杯飲んでいくよ」と、侮れない老人力を聞かされました。

ちなみに地方でお馴染みの運転代行、この町にもありますが、取り締まりが緩いので飲酒運転はなくならないでしょうとのこと。地方のリアルですね。

 

さて「のと風」もそうでしたが、志賀町では「個人宅に看板を掲げただけ」という体裁のお店が多いようです。観光客向けの「志賀町食べつくしMAP」という地図を見ただけでも、その手の店がいくつも目に付きます。

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地方では珍しくないのかもしれませんが、観光用のマップにこれだけ掲載されていることから、町の雰囲気が伝わると思います。

この「食べ尽くしMAP」には掲載されていませんが、個人宅の蔵を改造した「猫家」というカフェが良い意味で印象に残りました。

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ごくふつうの住居をお店にしているため、目立つ看板もありません。グーグルマップで確認しているのに場所が分からず、適当なところに駐車して徒歩で場所を探しました。文字通り地元の方御用達の喫茶店ですが、お店の方の受け答えの感じが良く、ひじょうに居心地が良いと思いました。蔵を改装したと言うだけあって、太い梁を渡した天井の高さが非日常感を醸し出しています。

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「猫家」のモーニングセット。アイス抹茶ラテがユニーク。

もとは飼い猫が入り込んで猫カフェのようになっていたそうなのですが、数匹いたうちの1匹が死んでから、店に寄り付かなくなった様子(とは言え、駐車場でちらっとみましたが)。

もし志賀町に足を運ぶことがあったら、ぜひ立ち寄って頂きたいお店の一つです。

 

最後に能登のスーパーに触れて締めくくりましょう。

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フレンドリーなオーラでいっぱいのスーパー

志賀町ではなく近隣の町のスーパーで撮影したのですが、この無理のない親密さ、なかなかお目に掛かりませんよね?
これが能登なんだろう、と思います。