メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

ライター仕事が意図せず、詐欺に利用されてしまった話(前編)

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双眼社という出版社をご存じだろうか?

1年程度しか稼働していない会社なので、ほとんど知られていないはずだ。

この会社でアルバイトとして働いた。
その期間は3ヶ月に満たなかった。
2015年のゴールデンウイーク明けから勤務を開始して、退社したのが7月。

試用期間程度で退職したわけだが、じつに得がたい経験をした。
というのも社長が詐欺師で、知らないうちに詐欺の片棒を担がされたからだ。

ライティング技術が詐欺に応用できるという話は聞いたことがない。
貴重な体験だと思うので、かいつまんで書く(被害者の方は感情を害されるかも知れませんが……)。

双眼社のことは、ネット検索すれば多少出てくると思う。

「サロネーゼ」とよばれる自宅開業主婦たちを取材してオウンドメディアに掲載し、気をよくした奥さまたちに自費出版ビジネスを持ちかける、というのがその手口だ。

自費出版」と言っても他社のように100万円以上取るわけではない。
オンデマンド印刷を利用しているため、35万円程度しか取っていなかった。
誘い文句も「自費出版」ではなく、「オンデマンド出版」と謳っていたはずだ。

販売は ISBN コードを取って Amazon を通す(ただし取次には卸さないので、一般の書店では販売しない)というやり方だった。
とは言え Amazon を通すと定価の6掛けになるので、利益を出すハードルが上がる。
そのあたりのことを社長がどう考えていたのかは不明だ。

自費出版であろうと何であろうと、とにかくきちんと出版していれば良い。
しかし双眼社は、金だけ取っていつまで経っても本を出版しなかったのだった。
問題になるのは火を見るより明らかだろう。

それどころか肝心のオウンドメディアさえ一向に立ち上がる気配がなく、入稿した原稿は貯まっていく一方だった。

そんな状況にも関わらず、自費出版費用を入金した人が何人もいたのは不思議だった。

そのなかには新宿で何軒も系列のカフェを出店しているやり手の若手実業家もいたようだ。

僕が取材を担当したのだが、後日営業さんから

「あのときのカフェのお客さん、『良い話だ』と言って乗ってきてくれたよ」

と聞いた。

どうやら社長はものすごく話がうまいらしかった。

(つづく)

【2019.8.10】
Google AdSenseガイドラインに引っかかる可能性があるため、書き換えました。
この件は被害者が多く、双眼社が行っていたことは歴とした犯罪です。これがガイドラインに引っかかるというのは釈然としません。
もしこのコンテンツに問題がないと判明した場合、元に戻します。
ご理解いただけると幸いです。! 戻しました
【2019.8.30】
タイトルも変更しました。
Googleから「スピード違反したったで。痛快やったで。どや!?」みたいな感覚だと疑われている可能性があるためです。