メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

のと暮らし……能登では「民家そのまんまの飲食店」がスタンダード?

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ども。檀原(@yanvalou)です。

今回は志賀町で印象に残った「よそ行きではない」飲食店の話です。

とある休日のこと。ランチを食べに行こうと思い、グーグルマップで検索しました。すると菜夢来さんの寮から数百メートルの距離に、スパイスカレーが評判の飲食店があるではありませんか。

「田舎あるある」ですが、志賀町では歩いている人を見かけません。どこへ行くのも車が基本です。それは住まいと職場、そして遊び場が点在しているからです。したがって歩いて食事に行けるというのは、かなりのレアケースです。グーグルや食べログでの評価も高かったので、さっそく足を運びました。

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それがこの「のと風」。
東京暮らしの経験をもつ店長(おそらく30代)が、実家に里帰りして開いたお店です。親御さんが美容院を経営しているらしく、塀のない敷地に一戸建てそのままという外観の美容院とレストランが並んでいます。

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「のと風」のスパイスカレー。ふつうのカレーとのあいがけです。

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基本一人でカウンターを廻しているらしく、メニューはなんでもありでした。それこそ宴会用の刺し盛りからオードブル、カツ丼、揚げ物、そしてカレーまで。
「今度、アゴだしラーメンも始めたいと思っているんですよね」と店長は言います。

彼はミュージシャンでもあるらしく、近隣の町に出向いてギターの仕事もしているそうです。

しばらく客は僕一人でしたから、なんとなく話し相手になってもらっていたところ、素顔の志賀町が見えて来ました。
この店はレストランということになっていますが、実際はカラオケの需要が高く、DAMの通信機器を入れているそうです。店長と同年代の若手から、それこそ80歳すぎの老人まで、みんな自分で運転して歌いに来るとのこと。高齢になっても運転する人は少なくないそうで、店長の祖父は87歳まで運転していたとのこと。その一方で、最近は70代で免許を返納する人も増えているようです。

その一方、のんびり電動カートに乗ってやってくる常連さんもいるそうで、「いつもビール10杯飲んでいくよ」と、侮れない老人力を聞かされました。

ちなみに地方でお馴染みの運転代行、この町にもありますが、取り締まりが緩いので飲酒運転はなくならないでしょうとのこと。地方のリアルですね。

 

さて「のと風」もそうでしたが、志賀町では「個人宅に看板を掲げただけ」という体裁のお店が多いようです。観光客向けの「志賀町食べつくしMAP」という地図を見ただけでも、その手の店がいくつも目に付きます。

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地方では珍しくないのかもしれませんが、観光用のマップにこれだけ掲載されていることから、町の雰囲気が伝わると思います。

この「食べ尽くしMAP」には掲載されていませんが、個人宅の蔵を改造した「猫家」というカフェが良い意味で印象に残りました。

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ごくふつうの住居をお店にしているため、目立つ看板もありません。グーグルマップで確認しているのに場所が分からず、適当なところに駐車して徒歩で場所を探しました。文字通り地元の方御用達の喫茶店ですが、お店の方の受け答えの感じが良く、ひじょうに居心地が良いと思いました。蔵を改装したと言うだけあって、太い梁を渡した天井の高さが非日常感を醸し出しています。

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「猫家」のモーニングセット。アイス抹茶ラテがユニーク。

もとは飼い猫が入り込んで猫カフェのようになっていたそうなのですが、数匹いたうちの1匹が死んでから、店に寄り付かなくなった様子(とは言え、駐車場でちらっとみましたが)。

もし志賀町に足を運ぶことがあったら、ぜひ立ち寄って頂きたいお店の一つです。

 

最後に能登のスーパーに触れて締めくくりましょう。

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フレンドリーなオーラでいっぱいのスーパー

志賀町ではなく近隣の町のスーパーで撮影したのですが、この無理のない親密さ、なかなかお目に掛かりませんよね?
これが能登なんだろう、と思います。