メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

まるで問わず語り。手元の本を忘れさせるような、高倉健の朗読術に聞き惚れる

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ども。檀原(@yanvalou)です。

以前のエントリーでご紹介したとおり、僕は隙間時間をつかって朗読音源を聴いています。
文章修行の一環として、一番お手軽かつ効果的な方法だと考えているからです。
今日はYouTubeで見つけた音源をご紹介します。

高倉健の朗読は、人柄そのまま

国民的スター俳優・高倉健。彼が自らの実体験を書き記した「南極のペンギン」という絵本があります。作者自らの朗読CDつきの珍しい本です。

この本の朗読音源がYouTubeにあがっているのを見つけました。
これがじつに良いのです。


高倉健の朗読

率直に言って、健さんの朗読技術は決して高くありません。
以下のエントリーで紹介したwizさんと聞き比べれば明らかです。

www.yanvalou.yokohama

wizさんの朗読(夢野久作「死後の恋」)
http://18.art-studio.cc/~koenoizumi/shigono_koi_1.mp3

しかし健さんの朗読の良いところは、朗読には聞こえないことです。
まるでキャンプファイヤーの傍らで、淡々した健さんの問わず語りに耳を傾けているように思えてくるのです。

健さん自身が自作を自演しているということを差し引いても、惹きつけられる名演だといえるでしょう。


生きるヒント『北極のインド人』高倉健朗読 ken takakura


生きるヒント アフリカの少年 高倉健さん朗読

 どの作品も「高倉健が書いた」ということを脇に置けば、名もない人々を主人公にしたエッセイだといえます。
こういう話、僕は好きですね。

朗読を効果的に盛り上げている音楽は、宇崎竜童です。

一般的な音声コンテンツと朗読の違いとは?

スマートスピーカーやAudibule、Voicy、さらにnoteでも音声配信が始まりました。
落語ブームなんてのもあります。
音声作品に光があたるお膳立ては出来ました。

ただ音声コンテンツが来ているのは、「耳さえ傾けて入れば他の作業が出来る」という部分が見直されているからだと言われています。
料理を作りながら、爪を切りながら、散歩をしながらでも楽しめるのが音声コンテンツです。
スマホやPCの画面に縛られない、という気楽さがウケているわけです。

しかし朗読は違います。
比較的集中力が要求されるコンテンツです。ラジオを聞き流すような受容のされ方はしていないと思うのです。
コンテンツ内の時間の流れも、ラジオやボイシーなどとは明らかに異なります。

朗読は一人になることを要求してくるようなコンテンツだと思うのです。
そういう意味で落語などの話芸とも一線を画しています。
読書が一人作業を強いるのと同じように、朗読を聴くのもパーソナルな行為です。
目で追うにしても、耳で追うにしても、読書は読書だということでしょうか。

今後もお薦めの朗読を発見したらご紹介したいと思います。

今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!