メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

もしもブロガーではなく、ライターが地元の記事を発信したら?

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ども。檀原(@yanvalou)です。

ブロガーにとって身近な話は定番中の定番。

しかしウェブ媒体を経由して地域情報発信するのはライターばかり。
全国各地の地域情報の多くは、日銭稼ぎのライターがSEOから外れないように、型通りの作業を繰り返しながら量産しています。
だから引用を駆使して取材をしない「コタツ記事」ばかり、そんなんでいいのか、という真っすぐな気持ちにした記事を見つけました。
ちょうど1年くらい前の古い記事なんですけどね。

www.kyokocanaryblog.com

 ”地元目線でSEOを外した記事を書く

カナリヤ響子さんと同じ横浜、しかも割と近隣に住む僕ですが、「ライターとしてではなく、ブロガーとして地元の記事を発信する」というお題、僕でしたらこんな記事を書きますね。

 

「とんかつ」が歩く街、伊勢佐木町

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はい。
豚さんをペットにしてる方が伊勢佐木町近辺にお住まいなんですね。
カラーメッシュを入れておしゃれです。

しかも「とんかつ」というネームプレートまで。
どこからシャレで、どこまで本気なんでしょうか。

この写真を撮影したのは今年の6月24日。場所は伊勢佐木町7丁目です。
はじめてこの子を見たのは、もう10年くらい前です。
そのときは遊郭跡地と知られる真金町(故・桂歌丸師匠のお宅がある町内)で見かけました。
もうびっくりですよ。
かわいいミニブタならともかく、かなり大きいわけですから。
それから約10年。かなりの老豚ということになります。
豊富なエピソードもあるはず。
本気でやるなら、この子と飼い主さんの話を書くでしょう。
このブタさんに街を案内してもらうのもいいですね。

伊勢佐木町周辺は、これといって何もないフツーの商店街とフツーの住宅地です。
しかしこういう強い対象がいると印象に残ります。

実際はなにもここまでアクの強いものを出す必要もなくて。
それこそ僕がこのブログで延々とやっている自宅教室取材とかでも良いと思うんですよね。

そこで生活しているごくごくフツーの人の横顔を紹介すること。

それだけで街が十分魅力的に見えると思うんです。

半地元人として魅力を感じているのは、毎日夕方になると周辺のハトやスズメを集めて餌をやってる小鳥店のおばあちゃんがいる風景とか、昔ながらの揚げ物屋さんに肉屋さんなど、湧き水があるところや橋の下の小さなお地蔵さんとそれを取り巻く風景などで。

ひじょうによく分かります。

……そう言えば、うちの近所はハーレーダビッドソンのカスタムショップが多いんです。
徒歩圏に2軒、少し離れた石川町に1軒。つごう3軒あります。
ほかに普通のバイク屋さんも何軒かある訳で、騒ぐほどでないにしても多いと言えると思います。
このあたりを切り口にするのもありかもしれません。

でもですよ。
ちょっと待って下さいね。

 

プロの書き手が地元の話を書くことはよくある

カナカナさんはたぶん見落としているのでしょう。

地元の話を毎日配信しているメディアがあるのです。

それは地方新聞

紙だけではなく、ウェブ版もあります。

小鳥店のおばあちゃんも昔ながらの揚げ物屋さんに肉屋さんも、湧き水も『神奈川新聞(以下『かなしん』)』で何度も取り上げられている有名スポットです。

ついでに言えば、『かなしん』では普段新聞で取り上げられないスポットばかりを取り上げる連載もやっていました。

「佐藤さん」という現役の記者が、あてどなく街を自転車で彷徨いまくり、毎回記事のネタを見つけ出すという実験的な企画です。

一応「人を中心に焦点を当てる」というゆるい縛りはあったようですが、登場するのはほんとうに普通の人ばかり。
この企画は「自転車記者が行く」というタイトルで単行本にもなっています。

「プロの書き手が地元のことを取り上げていない」というのは、単純にキュレーション的なメディアの話。

「でもウェブ媒体では、プロのライターが縁もゆかりもない土地の話を書いているんですよ」
「私は地方新聞のようにように地域に限定されず、ウェブ全体に発信したいんです」
と反論が飛んでくるかも知れません。
それはウェブという空間全体の課題でしょう。

 

草の根ウェブメディアが地域からの情報を発信した時代

10年くらい前、ウェブ上で「市民メディア」が勃興した時期がありました。
韓国の「オー・マイ・ニュース」というメディアが有名で、日本にも進出してきました。
「市民記者」と銘打って【大手メディアが取り上げないけれど、埋もれた面白いネタをプロではない人たちに書いてもらおう】というのが趣旨のメディアでした。
やる気のある市民をいっぱしの記者に育て上げる、という養成機関的な側面もあったと思います。

ウェブで振り返り記事を読むと、プロ市民活動家のメディアみたいに思われていたようです。しかし地方のちょっとした話が結構掲載されていて、僕は面白く読んでいました。

じつは僕自身、何本か寄稿しています。

そんな「市民メディア」でしたが、いくつかの媒体が追随したものの、ほんの数年で撤退しましたね。
ウェブメディアの黒歴史的な存在です。

news.yahoo.co.jp

オーマイニュース関係者が振り返る「編集部発・最後の炎上大会」

www.mynewsjapan.com

(とは言え、現在の「ウェブメディア界のスター的な人たち」は知らないんじゃないかな……)

むしろ、まじめな言論系のひとたちの方が知ってるでしょうね。

「(ウェブで)地元のことを地元の(プロの)書き手が取り上げる」というのは、なんども浮かんでは消えてきたテーゼです。

たぶんなにかが足りなくて、長続きしないのでしょう。

ライターがウェブ媒体に書くよりも、ブロガーが知名度を上げながら自分の媒体で書く方が正攻法な気がします。
もしくは地方自治体などが地元のブロガーと組むとか。

この点に関しては、ウェブ媒体に期待しても仕方がないんじゃないでしょうか。