Photo credit: Thomas Hawk on Visual hunt / CC BY-NC
ども。檀原(@yanvalou)です。
僕の住んでいる横浜は、京浜東北線を堺にして観光客向けの顔をもつ東側と地元民向けの西側とに分かれています。
外部の人たちが足を向けるのは、もっぱら港のある東側。
メディアが取り上げるのも東側だけです。
では西側にはどんな世界が広がっているのでしょうか?
「どうぶつの森」としての横浜
つい先日のことです。
うちのベランダにアライグマが立て続けに2回出現しました。
時刻は夜中の3時過ぎです。
最初はタヌキだと思ったのですが、しっぽに縞模様があったのでアライグマだと思います。なにかをひっかくような音もさせていましたしね。
タヌキとアライグマ、暗闇でパッと見ても区別はつきづらいですが、暗闇で目が銀色に光る様は異様です。
うちは南区の住宅地の一角、集合住宅の1階です。
中華街まで3キロという立地ですので、都会の一角と言っても差し支えないと思います。
近くに森があるわけではありません。
人びとの暮らしの息づかいが聞こえるような場所で、野生の息づかいを聴いてしまったのですから、もうびっくりです。
南区の奥まった場所に「旅館松島」という老舗旅館があります。
繁華街からは距離があり、近くにはこれといってなにもありません。
部活動の合宿につかわれるような旅館です。
ここのキャッチフレーズが振るっているのです。
「リスと狸が沢山住む町で、観光にも便利な横浜の奥座敷」
南区に20年以上住んでて、昨日まで「旅館松島」を知らなかった。
— 檀原照和@ライター (@yanvalou) June 8, 2020
「リスと狸が沢山住む町で、観光にも便利な横浜の奥座敷」って煽り文に書いてあるけど、そこまで田舎じゃないだろ?いや、狸は2回ほど見てるけどさ。 pic.twitter.com/XuvOMKCb5s
はい。
横浜市南区。タヌキとリスが出ます。
南区に住んで四半世紀になりますが、ノラネコとタヌキが仲良く生ゴミを漁っているのを見た事があります。
京浜東北線の東側、意外とワイルドですね。
魔界としての横浜
動物だけではありません。
なんなら、こんなおどろおどろしい場所もご紹介できてしまうんですよ。
住宅地の鈎の手のような曲がり角の突き当たりに、いきなり土俗的な階段が現れると異界に紛れ込んだような心持ちさえします。
横溝正史(『八墓村』の作者)的な禍々しさとでも言いましょうか。
御狐様がこれだけ密集しているのは、只事ではない気がします。
おまけに「お百度石」までありますからね。
板子一枚下は地獄
神奈川県川崎市宮前区土橋の土蔵に貼られた護符から、山岳信仰の神秘の世界を掘り起こした「オオカミの護符」という映画があります。
のちに書籍化もされました。
この稲荷の祠を見ていると、「オオカミの護符」に通じるものを感じずにはいられません。
船乗りは海の怖さを「板子一枚下は地獄」と言い表すそうですが、一見文明的な横浜の日常も「板子一枚下は地獄」なのかもしれません。
なんと言っても、地元民は横浜を評して「日本一大きな田舎」というのですから。
さいごに横浜のローカル性を垣間見るのに最適な1冊をご案内して締めくくりたいと思います。
横浜18区の土地神さまが最終決戦を繰り広げる「横浜大戦争」です。
単行本で340ページという結構な厚さですが、割とラノベ的な内容なので難しくはありません。
ただし横浜市街の人が読んでも、楽しめるかどうかは微妙なところです。
今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!