ども。檀原(@yanvalou)です。
さきほど「共感を生む文章のつくりかたーNewsPicks for Business編集長の林氏と地域商社こゆ財団齋藤のオンライン対話講座」を視聴し勉強になったので、自分へのメモも兼ねて書きます。
「共感を生む文章のつくりかたーNewsPicks for Business編集長の林氏と地域商社こゆ財団齋藤のオンライン対話講座」を視聴。勉強になった。
— 檀原照和@ライター (@yanvalou) 2020年8月5日
最近一人称の語り文が目に付く気がしていたけど、後半その辺の話が出てきた。
しばらくの間、アーカイブが残るのでまだ視れるみたい。
この講座は無料で、かつしばらくの間アーカイブが公開されるとのことですので、詳細については映像本編を御覧下さい。
(以下の記述には、個人的な解釈や考察も紛れ込んでいます)
以下、極私的ポイント5点。
「すごい」「美しい」などと書かない
「すごいんだよ」「綺麗なんだよ」「美味しいんだよ」と書いてしまうと、往々にして書き手だけが勝手に熱くなり、読み手が置いていかれるという状況に陥りがちです。
これでは共感が呼べません。
そこで具体性を追求します。
言い換えると「客観性」を高めることで、書き手と客体の間に乾いた関係性を作るということです。
べったりした関係性が出来上がっていると、読者が入っていけません。退いてしまいます。
目に見えるものをいくつも並べて色や形を説明しましょう。参加人数、気温、所要時間、速度などといった数値を並べて対象を客観的に描写するのも良い方法です。手触りや匂いを書けば、臨場感も演出できます。
第三者のコメントを持ってくるも有効でしょう。
突き放した方が共感を呼びやすくなります。
見出しが決まれば書ける
インタビューの手法はひとそれぞれ。
新聞記者上がりの書き手は、最適な見出しさえ捉まえれば、あとは客観的事実を組み立てて1本記事が書けてしまえます。
例として以下の記事が上がっていました。
『トム・ソーヤーの冒険』から得たヒント ANAが地方に高校生を送る理由
この記事のもとになったインタビューはほとんど雑談だけで、インタビューらしいインタビューではなかったといいます。
「それで書けるんですか?」の問いに、
「良い見出しを頂きましたから」
と記者は答えたそうです。
実際、記事はすばらしいものになりました。
*いわゆる「こたつ記事」では有効に働かないと思われます。インタビュー記事ならではの手法ではないでしょうか。
英語圏の小説家がしばしば口にする「作品の声を探す」という作業にも通じるものがある気がします。
イシューに気付く
問題解決型の記事。話を聞くことで問題点を発見し、問題提起したり、解決したりします。
ナラティヴ・アプローチ
ここ2〜3年、ネット上の記事で頻繁にみられるようになった「一人語り型」の記事のこと。
数年前「ストーリーテリング」が伝わる文章術として一世を風靡しましたが、その次に来た流れ。
独白調にすることで真実味がつよくなり、本音を吐露しているようにも感じられるため共感されやすくなります。
ただし主観が前面に打ち出されるため、炎上の危険性もあります。
(ナラティヴでも数字や具体性など、客観的な記述は不可欠。あくまで戦略としてナラティヴを選んだにすぎないので、記事の中身まで主観的になってはいけない)
例としてあげられていたのは、以下のふたつ。
女31歳。生まれてこのかた、一度も生理がない。
これで「軽症」と言うのか。新型コロナ感染で入院中、渡辺一誠さんの手記
とくに「女31歳」はバズらせるつもりは全くなく、女性問題の特集記事の流れで個人的な話を書いただけなのに、予想に反して公開当時200万ビューを稼ぎ出したといいます。
大きな物語が共有されなくなり、かつインターネット時代になって誰でも物語を発信できるようになりました。その結果、個人の小さな物語が強い支持を集めるに至っています。ナラティブの流行は、こうした背景と無関係ではないのでしょう。
見出しは「なに」よりも「なぜ」で考える
新しい出来事=ニュースではありません。
新しい出来事、その事実をそのまま書いても見出しにはなりません。
とくにプレスリリースでは刺さらないと読んでもらえないため、工夫を凝らします。
(見出しの例)
新商品を発売しました
→苦節10年、従来商品の100倍スペックを実現できた理由社長交代のお知らせ
→ダメ社員、窓際族だった私が社長になるまでこんなスペックの新車発売
→初となる女性デザイナーが手がけた車が登場いよいよ営業再開
→この2ヶ月の苦悩を聞いてほしい。店長より弊社のサステナブルへの取り組み
→「レジ袋有料化」よりも地球環境にきくコロナ対策にこの商品
→そろそろ、マスクしんどくないですか?
以上が個人的に刺さった部分なのですが、参考になりそうな部分がまだあるので、こぼれた部分を別の記事にまとめました。