メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

どうして無断で映画を撮られると無料なんでしょう?

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ども。檀原(@yanvalou)です。

突然ですが、林伸次さんの2017年12月12日のnote「どうして取材をされる人は無料なんでしょう」を読んで、

どうして無断で映画を撮られるときも無料なんでしょう?

と思いました。

 

業界に「取材を受けるときは無料」という慣習がある

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インタビュー相手に謝礼を払うべきか」はうちのブログのトップアクセス数を稼いでいる記事です。
取材時の謝礼問題はライターの入門書に書かれていませんので、皆さん興味があるのでしょう。

www.yanvalou.yokohama

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林さんが言うように

その2時間のうちの1時間を使って、さらに他ではちょっと入手できないような情報を教えて、それでどうして「無料」なのか不思議なんです。

どういうわけか「取材」ということになると、「無料」って決まってるんです。

 ※

実は記事や番組を作っている側の事情も知っていまして、そんな「5000字2万円の記事」のために取材した人、全員に1万円とか渡せないっていうのはわかってはいるんです。

というのが実情です。

 

映画の場合はどうなのか?

しかしドキュメント映画の撮影の場合は、どうなんでしょう?
自分が関わったイベントが、2回ばかり無断で撮影された経験があります。

2度とも撮影クルーが事前連絡なしにやって来ました。
そうして映画の企画概要(撮影対象は見ていれば分かりますが、完成目標となる時期やテーマなどは不明)の説明もなく、挨拶もありませんでした。
さすがに撮影対象となる人物には「よろしくお願いします」的なやりとりはありましたが、イベント運営者であるこちら側のことは無視。
どうやら「写る人にだけ話をしておけば良い」と考えているようなのです。
さすがに見兼ねて話をしに行きました。

2回のうち1回は知人が主催者。
もう1回は自分が主催者です。

自分が関わった方に関しては大赤字で、地元自治体から助成金を受けている状態でした。事前に分かっていれば「撮影協力金」を徴収したでしょう。その程度の「お布施」があっても罰は当たらないと思います。

フリーライドで利益を出されては、堪ったものではありません

撮影チャンスは1度だけです。
飛び込みのような形でやって来て、断られたらどうするつもりだったのでしょう?
権利関係の話は後で出来ると思ったので、とりあえず撮影は黙認しました(許可してはいません)。

 

自分たちの権利しか頭にない人たち

しかし後日「このイベントの企画者は私たちです。イベントの企画制作者である私たちにも著作権が発生します。私たちは著作権の権利者です。ですから撮影した映像を見せてもらえませんか? それから映像素材の複製を下さい。表に出すつもりはありませんが、記録として内輪で保存しておきたいので」とお願いしたところ、

「これはうちの著作物ですから、無理です」とにべもなく断られました。
仮に映画の完成後であったとしても、編集前のものは見せられないというのです。

出版やウェブメディアなど文字媒体であれば、大抵の場合、事前に記事の確認ができますし、写真も見せてもらえます。一部のメディア(新聞など)は「報道の自由、中立性」などを盾にして、事前確認を拒んできます。しかしそれは例外的な事例です。

しかし映画の場合は、勝手が違うようです。
何様のつもりなんでしょうね?
そもそも無断で撮影しておいて、侘びの一つもないというのは社会人として異様です

僕は「イベントの主催者権限」を発動して、うちのイベントを撮影した部分の使用は禁止してやりました。

まだこの映画は公開されていません。

 

【後日談】

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映像を使用禁止にして2、3ヶ月してから、ウッドストックの主催者のエピソードを知りました。
ご存じの通り、ウッドストックは1969年に行われた史上最大規模のフリーコンサートです。
愛と平和、反戦を主張するヒッピーや若者らが約40万人が集りました。

よく知られるとおり、当初は有料だったのですが、観客が集まりすぎたため急遽無料にしました。
当然のことながらイベントは大赤字でした。

しかしコンサートのライブ音源や記録映画が大ヒットしたため、最終的に主催者は巨額の利益を得たというのです。
フリーミアムの典型例と言えましょうか。

この話を聞いた僕は、「そうか。イベントは赤字でもコンテンツの二次利用で赤字を埋めるという手があるのか」と感激しました。

出版と異なり、映画の場合は動く予算が桁違いです。
前払いは出来なくとも、興行収入から後払いすることも可能なはずです。
そこで件の映画製作会社にコンタクトを取りました。

この映画は国内の映画館や DVD、配信サイトで公開するのみならず、海外でも上映する可能性が少なくありません。
そこで臆することなく「協力費」を要請しました。

「こちらは赤字で情熱だけをエネルギーにしています。そこにフリーライドしようというのは、アンフェアじゃないでしょうか? 1度お断りしましたが、フェアな扱いをしていただければ、使用を許可しますよ」と。

あっさり断られましたね。

きっと映画・映像関係のひとたちは、黙って撮られる羊のような人物しか相手にしないのでしょう。