Photo : 珈琲牛乳 Wikimedia Commons
自宅サロン fill de lea 田中美穂さん
2015年の5月27日に取材した横浜市青葉区のアイシングクッキーとスコーンの自宅サロン「fill de lea(フィル・ドゥ・レア)」の紹介文です。
お蔵入りしていたものを蔵出しいたします。
取材文のサンプルとして御覧下さい。
青葉区郊外に位置するのどかな新興住宅地。平穏な暮らしを絵に描いたかのような町並みの一角で、田中美穂先生はアイシングクッキーとスコーンの教室「fill de lea(フィル・ドゥ・レア)」を主催している。
アイシングクッキーは、ここ数年で一気に流行した感がある。ご存じない方のために説明しておくと、粉砂糖と卵白で出来たクリームでデコレーションをほどこしたクッキーのことである。「クッキーの上にプリントしたのではないか?」と思ってしまうほど出来映えのよいものも珍しくない。「見てカワイイ、食べておいしい」と2度楽しめること、カラフルで細密な絵柄が描けること、乾くとしっかり固まり長期保存も可能なことから、ちょっとしたギフトやお祝いとして人気が高まっている。
田中先生がアイシングと出会ったのは、インドネシアのジャカルタだった。転勤族の夫についてさまざまな土地に移り住んだ中での遭遇だった。もともと海外、殊に欧米圏ではカラフルで派手にデコレーションしたケーキづくりが盛んだった。「シュガーアート」とよばれる工芸品のようなケーキもポピュラーだ。アイシングクッキーも、そうした欧米の伝統の一部だ。
田中先生がアイシングを教わったのは、千葉で「Y&Csweets」を主宰している高橋洋子さんの教室だった。著名な先生から教わることで第一級の刺激をもらってきたのではないだろうか。
アイシングクッキーはもらっても嬉しいが、自分でつくれたらもっと嬉しいお菓子である。そんなアイシングクッキーの魅力を学べる「fill de lea」のアイシング・クラスは以下の4つに分かれている。
初心者レッスン
- アイシングの材料説明からアウトラインの描き方など基礎となる部分を学ぶ。
- アイシングクッキーを4枚作成。
- クッキーとアイシングクリームは教室で用意。
マンスリーレッスン
- 毎月のテーマ(サンプル)に沿ってアイシング。
- アイシングクッキー4~5枚を作成。
- クッキーとアイシングクリームは教室で用意。
ロイヤルアイシング基礎レッスン
- アイシングクリームの作り方を学ぶクラス。コルネ(絞り袋の一種)の作り方、カラージェルでの着色法も学習。
- 自宅でのアイシングづくりを可能にする1日完結型レッスン。
- 参加者自身がつくったアイシングクリームで4枚のクッキーをアイシング。
キッズレッスン
- 春休み、夏休み、冬休みを利用してお子様向けのアイシングクッキーレッスン。
- 大人気のキッズレッスンは、お子様でも簡単に出来る可愛いデザインを用意。
- クッキー(3~4枚)とアイシングクリームは教室で用意。
アイシングに必要なのは集中力だという。作品を見れば一目瞭然だが、かなり細かい線を多用するので根をつめる作業がつづく。まず固めのクリームで縁取りを描く。それから緩めのクリームで内側を埋めていく。固めと柔らかめ、1色につき2本のクリームが必要になるわけだ。色は基本色を混ぜあわせていくことでほとんど無限につくることができる。
「色とデザインが大事です」
と田中先生。
「はじめての人でも挑戦できる、かわいくてシンプルなデザインを目指しています」。
上達するにはとにかく練習していくしかないが、上手く出来た時の子供の笑顔が励みになるという。
「fill de lea」のレッスンは2名~最大4名までと少人数にセッティングされている。アットホームな雰囲気のなかで学べるので気軽に質問することも出来るし、先生の技を間近にみて技術を習得することも可能だ。
レッスンは毎回10時半から2時間程度行われる。その後30分から1時間ほど設けられているティータイムを楽しみにしている生徒さんが少なくないという。
「世の中にたくさんのサロンがある中から選んでいただいているので、『来て良かった』と思って頂けるようにおもてなししています。現在勉強している紅茶のおいしさを知って頂けたら嬉しく思います。綺麗なティーカップと手作りのお菓子で優雅な時間を楽しんで頂けたら」
お菓子作りをつづけていくうちに食器やテーブルコーディネイトにもはまっていったという田中先生。その話しぶりから、単なる教室ではなく、場づくりにも力を注いでいることがうかがわれた。
まだオープンして1年程度ということもあって、受講者は友人・知人からの口コミが中心とのこと。地元横浜からの参加が多いが、麻布など都内から習いに来る方もいるという。
「原則として初めての方は初心者レッスンに来て頂いていますが、生徒さんの紹介で同伴で来て頂くことも可能です。やはり経験者とレベルに差がありますので、最初に少し練習して頂いて、それから一緒に課題に挑戦して頂いています。同伴の場合はマンスリーレッスンからの参加がお薦めですね」
春休みなど長期の休暇中は親子同伴のキッズレッスンも行われているそうなので、実用的なお菓子作りに留まらず、親子の共同作業で絆を深めるにも最適ではないだろうか。