ども。檀原(@yanvalou)です。
あなたが駆け出しのライターだったとします。
運良くインタビュー記事の仕事にありつき、何度か書くことが出来ました。
さて、その後どうやって勉強したら良いでしょうか?
もし会社組織に入ることが出来たのであれば、OJT的なプログラムが用意されているのかも知れません。
しかし先輩がついていてくれるのは初めのうちだけです。その後はどうしますか?
あるいはあなたがブロガーで、教えてくれる人が周囲にいなかったとしたら?
初めのうちはなにもかも手探りで、おっかなびっくりだったはず。
試行錯誤の連続ではあるものの、すべてが新鮮で、あらゆることが勉強になるでしょう。
しかし10回もやれば、自分のスタイルが固まってくるはず。
その後はひたすら数を重ねていくだけですか?
出来るだけ早い段階で、他人のやり方にふれる
以前「ライタースクールは役に立つか?」というエントリーでも書きましたが、同じお題で人と競い合うようにして書くとひじょうに勉強になります。
ライター/ゲームクリエイターとして有名な米光一成さんはそのことを非常に良く理解しており、自身が主催するライター塾「米光講座」で同一インタビューを複数のライターに書かせる、という課題を出しています。
この課題は成果発表的な形で電子書籍化されており、私たちも目を通すことが出来ます。
早速みてみましょう。
「米光講座」のテキストを読む
電書リーダーアプリのbccsをスマホかタブレットにインストールし、「編集者ライターへの道2018」(米光講座シーズン9・著)をダウンロードして下さい(無料です)。
PC上からブラウザー経由でも読めます(ただし快適とは言いがたいです)。
内容は以下の通りです。
米光講座の卒業生のうち、プロとして活躍している7人のライター。
彼らの一人一人を、3人1組となった受講生がチームでインタビューし、原稿にまとめています。
つまり都合21本の原稿が収録されていることになります(実際は19本)。
ふつうに考えるとインタビューは7本だけで、その7本と同じものがそれぞれA、A'、A"のような形で並んでいるものと思うでしょう。
ところが実際は、同じインタビューでもまったく内容が異なるのです。
どこを残してどこを削るか。
どの順番で書いていくか。
文字数が決まっているため、インタビューで聞いた話をすべて書き起こすと、スペースが足りなくなります。
また時間軸の通りに書くと、たいてい原稿はつまらなくなるのです。
インタビューを繰り返すと分かってきますが、話をしているうちに話者が「さっきはこう言ったけど、そう言えばこんなこともあったと思いだした」とか、「話があちこち脱線して主題がとっちらかっているので、順番を整理しないと読んでも分からない」とか、頭からそのまま書いても通用することは滅多にありません。
百聞は一見にしかず。
ね? だいぶちがいますよね?
▲北村知子さんの原稿
▲藤原育菜さんの原稿
たった一つの事実から無数の「真実」が生まれる
この考え方を推し進めると、森達也さんの「ドキュメンタリーは嘘をつく」(草思社 2005年)になります。
たった一つの事実から無数の「真実」が生まれていくのです。
別に捏造とかやらせなどをしなくても、取材者が異なれば自ずと異なる成果物が生まれます。
ライターとして、あるいは映像作家や写真家でも構いませんが、早い段階でやるべきことは自分なりの真実と他人の真実を比べ、その差異から学ぶことです。
座学で文章の構成や修飾語の使い方を学ぶのも結構ですが、ちがいから学ぶ方が効率的だといえるでしょう
今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!