ども。檀原(@yanvalou)です。
今回レジデンスに参加するに当たって、申込みと同時にこんな質問もぶつけてみました。
ライター・イン・レジデンスという制度を、どこでどのようにしてお知りになりましたか?
ここ1、2年で徐々にレジデンスのことが知られるようになっては来たものの、まだまだ知らない人の方が多いはず。
- お金にならない
- 地域への貢献が見えづらい
- 出版業界から評価されない
という状況にもかかわらず、この制度を始められたきっかけに興味があります。
この質問に対して、以下のような返信が返って来ました。
ご質問や参考事例も色々とありがとうございます。
ライターズの企画を始めたのは、もともと尾道は林芙美子や志賀直哉などの文人が滞在して制作した地でもあり「文学の町」とうたってもいるのですが、芸術やアートに比べ、まだまだ若者への浸透が少なく、尾道市立大学でも日本文学科もあるのですが、街中の本屋も消え、近年の活字離れに危機感を感じておりました。
2016年からオープンしてゲストハウスをしている「みはらし亭」の建物は
100年近く前に建てられた別荘建築で、テレビもインターネットもない時代、窓から尾道水道を眺めながら、本を読んだり、手紙や文章など筆を走らせていたんだろうなと想像すると、現代でそういう時間の使い方ができることは逆にとても新鮮だったり、贅沢だなと思い、観光の閑散期にそういう使い方をしてもらう機会を設けてはどうかと思ったのが最初です。尾道ではアーティストインレジデンスが10年以上前から根付いており、その物書き版があればいいのにと思っていて、私もネットなどで検索してみたのですが、日本での事例って本当に少ないみたいで、ほとんど参考にできる案件も見つからず、まあ、やってみようということで、3年前に独自で始めています。
その効果とか評価とかあんまり考えてはなくて、先人と同じような眺めと空気、電車や船、造船、お寺の鐘の音などを五感で感じながら、尾道で何かを感じ取ってもらえたらなというのと、プロアマ問わずライターさん同士の交流の場になればなくらいに敷居も下げているのが特長です。
「尾道」という場の力を借りて、何かいい刺激になればと思っています。
昨年は11名の方に入れ替わり立ち替わり参加していただきました。その後も交流が続いていたり、参加者さん同士が仲良くなられたり、コラボってお仕事されたりということもあるようで、嬉しい限りです。
出版業界やライター側の需要とは無関係に、まちおこしの文脈から生まれた企画だと言うことが分かります(そのせいか、アートの世界でよくある成果物の提出もワークショップを開く義務もない)。
また閑散期だからこそ可能な取り組みでもあるのですね。以前参加した北海道も厳寒地のレジデンスでした。
あ、そうです。
よその地域の事例も知っている限りお伝えしました。
いずれ、このブログでもご紹介したいと思います。
尾道の文化人たちが出入りしたという画廊喫茶「孔雀荘」。昭和8年創業。
きっと需要はかなり少ないと思います。
しかし少しでもレジデンスを実施する施設や団体が増えれば、参加する楽しみが増えます。
そういう意味で、尾道にはかなり期待しています。このレジデンスの評判なり知名度なりが上がれば、後に続くところが出ると思うからです。
ここで昨年のレジデンスを紹介した新聞記事を貼っておきます。
昨年の参加者の書いた体験記です。
昨年は全員女性で、毎晩鍋を囲んで交流していたと聞いています。面子によってまったく異なる体験になるのが興味深いです。
やはり昨年参加された奥山 睦さんのレポート(pdfファイル)です。
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http://www.keguanjp.com/kgjp_jingji/imgs/2019/02/20190215_3.pdf
次回は、主催団体の代表者で仕掛け人の豊田雅子さんのインタビュー記事をお届けします。