メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

高橋ユキ出版記念トークイベント「ノンフィクション万歳」のメモ書き

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ども、檀原(@yanvalou)です。

10月15日(もう1週間も前か……)、東京の青山ブックセンター本店で行われた高橋ユキ・著『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』出版記念トークイベント「ノンフィクション万歳」に行ってきました。

『つけびの村』(以下『つけび』)は、2013年の夏にわずか12人が暮らす山口県の集落で、一夜にして5人の村人が殺害されたという「山口連続殺人放火事件」を扱った本です。

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本日の主役、高橋ユキさん

著者の高橋さんは、裁判の傍聴ライターとして知られます。主な著作に『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)などがあります。

『つけびの村』は note への投稿が本になり、しかも売れてしまっているというひじょうに珍しいケースです。そもそもお堅いノンフィクションの世界では、ネット発のヒット作は皆無。

note.mu

しかも2018年7月の投稿から半年のタイムラグを置いてブレイクし、ついに本になったという二重の意味でレアな本なのです。

togetter.com

主役の高橋さん、『つけび』を担当した編集者の江坂祐輔さん、高橋さんと同世代のライターで、友人でもありライバルでもあるという水谷竹秀さんと広野真嗣さんの3人の登壇で進行しました。

本来は編集者の藤野眞功さんが司会進行するはずだったそうですが、台風が原因で来場することが出来ず、主に広野さんがリードする形でした。

このトークイベントはひじょうによい学びの機会になると思ったので、メモ書きをシェアします。

 

メモ書き

「ノンフィクションは、人通りのないところに立つ高級料理店」(講談社『G2』 最終号より)

 

一般に、ノンフィクションの世界では「この本の謎はなんだ? 謎を解いてこい!」と言われる。
しかし『つけび』では、謎ではなく、現場の風景を明らかにしている。

 

「ノンフィクション」というジャンルにおいては、材料こそ事実かもしれないが、結論はあくまでも書き手の主観である。

 

投稿している瞬間は、(誰でも)神様になれる。

 

小学館ノンフィクション賞賞金、猪瀬直樹さんが現役の時は1000万円だった。(広野)
(現在は100万円程度)

 

ノンフィクションを1冊書くのに、いくらかかるか?
→100万円はいく
→つまり賞金をもらっても、全額経費で相殺される

経費の内訳:
交通費と宿泊費がでかい!

 

ノンフィクションは引用されることを目指すべきだ。(広野)

 

男の方がロマンチストなので、文章がエエカッコしいになりがち
→ex.「僕は青春発函館行きの列車に乗り込んだ」(沢木耕太郎

 

書き手に対する1票(賛成票)は、本を1冊買うことだ

 

書き手が組織内部から声を上げた作品の場合、自分が当事者になれる
→でも読者の共感は呼べない


登壇者がえらぶノンフィクション10冊

配布されたパンフレットに登壇者が選ぶ10冊が掲載されていました。

司会を担当するはずだった藤野さんが、それぞれの方に異なる条件を出して選んでもらったとのこと。
なのでそれぞれの選者にとってのノンフィクション・ベスト10ではないそうです。

参考になると思うので、こちらもシェアします。

髙橋ユキさん
本日の主役。

水谷竹秀さん
2011年『日本を捨てた男たち』(集英社)で第9回開高健ノンフィクション賞受賞

広野真嗣さん
2017年『消された信仰』(小学館)で第24回小学館ノンフィクション賞受賞

江坂祐輔さん
晶文社編集者。手がけた本に中村明一『倍音』、坂口恭平『cook』など

藤野眞功さん
フリー編集者。手がけた本に横田徹『戦場中毒』など。自身の著作に『バタス 刑務所の掟』ほか

なんだかカタログのような投稿になってしまいました……(苦笑
まあ、基本メモですからね。

今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!