メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

あなたがマトモに本を書くのなんて10年ぶりですね?

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ども。檀原(@yanvalou)です。

新刊の発売日である12月10日が近づいてきました。

Amazonの予約受付ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4480435530

 著者のプロフィールが、解説を書いていただいている都築響一さんのプロフになってます。いい加減だなぁ……。

 

単著を出すのはおよそ10年ぶりです

さて。この「10年ぶりに本を出す」という状況はネタに出来るんじゃないか、と思いました。
しかし自分で自分の状況を書くのではなく、他人がこの状況をネタにした方が面白そうです。
そこでスキルのフリーマーケットココナラ 」に出品されているサービスを利用して、1本書いてもらうことにしました。

coconala.com

サービス提供者である「だーりぁさん」の書いてくれたショートショートはなかなかユニークでした。

 

伝染する傾向

「いやぁでも、びっくりしましたよ。あなたがマトモに本を書くのなんて10年ぶりとか、そんなもんじゃないですか?」
「もうそれくらいになるかな。10年間、鳴かず飛ばずを続けたこの僕を、O出版は拾い上げた。発行部数を最小限にギャラもかなり削られるそうだ。このご時世ヘタな新人に書かせて転ぶより、売れない中堅に仕事を回した方が安パイだからね。」
「10年前の続きをやろうっていうんですか?」
「終わってなどないよ。10年間の僕の全てを詰め込むつもりだ。10年前の悲劇の風さえも」

 * * *

本日、ご紹介するのはこちらの本でございます。
著者は、かつて文化人や読書家たちの中で人気を博した、とあるノンフィクション作家。
しかしながら、5年前に刊行されたこの本には、初版数がかなり抑えられたうえに、重版は絶対に掛けられないという、版元からの半ば強引な合意の下で出版された、珍しい生い立ちがあります。

肝心の内容について触れましょうか。
それ自体には何の変哲もない、とある集落の、とある一家へのインタビュー記事を纏めたものです。巻末には、集落の地図や人口などの統計データが付録されていますが、これといった魅力がある集落ではなかったので、発売後も人気に火がつくことは無く、初版本を売り切ることに精一杯であったと、関係者は語っています。

しかしながら、発売して3ヶ月後のこと。
この本は、決して歓迎されることのない不運によって、一躍脚光を浴びることになります。
モデルとなった集落で、連続殺人事件が起こったのです。犯人は集落の住人か、はたまた村外の人間か。足取りは掴めていないようです。この集落には、部外者禁制の、厳格な掟が存在しています。そのために捜査に時間がかかり、付近の警察官は苦労したようですが、集落の住人たちは、捜査に協力するように見えて、何か結託して一つの事実をひた隠しにするような、そんな印象を抱かせたと言います。
この事件をきっかけにして、書店での売れ残りは一掃されて、普通ならば重版がかかる程の勢いであったといいますが、出版社は気味わるがって、遂に絶版として処分をしました。このことがまた、この本の人気に拍車をかけたとも言われています。

最後に、あとがきから引用を。
【私には、華がない。学がない。斬新さがない。勢いがない。才能がない。私には、泥臭い取材しかない。この本を読んで、付録のデータを見て、何の変哲も感じなければそれで良し。問題は、疑問を感じた者たちだ。そんな読者に、私は呼びかけたい。いずれ、この村を残忍な事件が襲うことになるだろう。捜査は難航する。解決につながるヒントをいくつか散りばめておいた。それを利用して、事件を解決して見せて欲しい。泥臭い、地道な取材が、他の何にも勝るところを見せて欲しい。】
著者であるノンフィクション作家の行方が分からなくなったのは、例の事件が発生して間も無くのことでした。

前提となった設定

ちなみにこの作品の前提としてだーりぁさんに提供した情報は以下の通り。

本を2冊出したノンフィクション作家が主人公。

「雑誌で仕事できないか」と売り込みに行くと「2冊書いた程度でまともな文章が書けるはずがない」と一蹴される。
ウェブ媒体に営業に行くと、初心者ばかりが採用され、彼は面接で落とされる。

2冊目の本は一部の文化人や本読みからは高い評価を受けたが、彼らがその評価を公言することはない。
逆にウェブに載ったインタビュー記事が炎上し、SNSで230人以上のユーザーから「たった10年ぽっちしか取材していないのに本を書くなんて許せない。おまえみたいな奴はこの街から出て行け」と言われる。

セールスは低迷し、一刷りだけで絶版になった。
本が出たからといって、仕事が来るではなし。
3冊目を出そうにも企画が通らず、彼は長い沈黙期間に入る。

そうこうするうちに10年が経ち、ついに3冊目を出版するときが来た。
きっと売れないだろうし、話題にもならないだろう。
しかしこの本は20年(デビュー前からほそぼそ取材をつづけていた企画)という歳月を掛けた渾身の1冊だ。
彼はこの後、どうしたらいいだろう?

 ね?

こんな前提なので、本人が書くとイタイ内容にしかなりませんよね
そんなもの、誰も読みたくないでしょう。

偶然の一致ではありますが、10年ぶりに書いた本の中に「これといった魅力がある訳ではなく、かつ閉鎖的な集落」のとある一家の長にインタビューしている箇所があります。
岡山県のかなり奥にある辺鄙な集落です。
不思議な一致ですね。

今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!