ども。檀原 (@yanvalou)です。
できるだけ間を空けないで更新しようと思っていたのものの、頭の中が絞りかすになるほどハードなプロジェクトに関わっていたため、更新出来ずにいた。
毎日更新するのは苦行だね。
さて今日は落語を含めた語り芸との馴れ初めについて。
僕はク・ナウカという劇団に在籍したことがあって『王女メデイア』の初演に出演している。
座長の宮城聰(現・SPAC 芸術監督) は古典芸能に造詣が深く、文楽の人形遣い、吉田文雀 (昨年亡くなった)の追っかけをしていた。
『王女メデイア』初演の年である1999年の時点では、まだク・ナウカの公演の時に吉田文雀の公演チラシが挟み込まれていたほどだった。
文章修行の手段として、落語を聴いた
僕はライター活動をホームページ制作からはじめた。
確か2000年に作り始めて、それから数年間公開していたのだと思う。
それを見たある出版社の編集者から「本にしませんか?」と誘われたのが、デビューのきっかけだ。
チャンスなので勿論 OK した。
とは言え、それまで文章修行をしたことがなかったので文章が本当に下手くそだった。
いまでも決して巧い方ではなく、ある程度の基準をクリアした程度だと思っているが、その当時はもっと酷かった。
小説修行の話を読むと、しばしば写経のように好きな作家の文章をひたすら書き写す話が出てくる。
本当はそれがいちばん良いのだろう。
しかし僕にはそれをやっている時間がなかった。
それで手っ取り早く日本語力をあげる手段として考えたのが、「語り芸の音声をとにかく聞きまくる」という方法だった。
語り芸には講談、浄瑠璃、義太夫、説経節など色々あるが、文章を書く上で直接参考になりそうなのは落語と講談だろう。
そこでアクセスしやすい落語を聞くことにしたのだ。
その当時、ニフティーが二つ目の落語家をつかって「ポッドキャスティング落語」という番組を配信しており、それを聴き続けた。
貧乏だったので寄席には行かなかったが、ポッドキャストは聞きまくった。
(たまにカセットも聴いた)
効果は絶大だった。
文章を書く上で必要なのは、リズムだ。
日本語のリズムがもっとも良い形で聴けるのが、語り芸。
だから語り芸を聴き続けると、日本語力、ひいては文章力が上がると思う。
逆に英語力をあげようと思ったら、スピーチを聴きまくるのが良いんじゃないかな。
あの当時と違って、いまはAudibleがあるし、FeBeなどほかのサービスもあるので、オーディオブックで落語を聴くのは簡単になったはず。
文章力をあげたければ、落語。
これが一番手っ取り早く、文章力を上げる方法だと思う。