Karolina GrabowskaによるPixabayからの画像
ども。檀原(@yanvalou)です。
前回の記事の補足です。
ニュースとは一体何か 10の分類
NewsPicks for Business の編集長、林亜季さんはニュースを以下の10種類に分類しているそうです。
- 結果や影響が重大である「大震災発生」「新型ウィルスの世界的流行」
- 時宜にかなっている「桜満開」「梅雨グッズの人気商品」
- 話題性がある「著名人の結婚」「ノーベル賞受賞」
- 時代を感じる「オンライン飲み会が流行」「労労介護」
- 社会や業界の方向性を示す「副業ブーム」「自動車メーカー、SUVに注力」
- 革新的である「ドローン宅配が実現」「AIでオンライン診療」
- 逆行している「ポラロイドカメラがブーム」「ラジオにハマる若者たち」
- 独自性がある「全社員で『運動会』をやる企業」「採用でナビサイトを止めて成功」
- ストーリーがある「涙の商品開発秘話」「逆境はねのけ成功」
- 課題解決につながる「サステナブル消費」「貧困を救う色の仕組み」
逆に言えば、新しく起きた事件や出来事であっても上記10項目に当てはまらなければ、メディアではニュースとは言えない、ニュース・バリューがない、ということになります。
前回の文例と被りますが、どこかの会社が新商品を出しても、それはニュースとは呼べません。ただし「1.結果や影響が重大である」「2.時宜にかなっている」などの要件を満たせば、ニュースとして扱われます。
取材の準備
同じく林さんが教える取材の準備は以下の通り。
林さんは「取材は事前準備が9割」と言い切ります。
- 取材先の著作、取材記事を全て読む
- これまでにない切り口、独自の視点を探す
- 質問を用意する
- 先方に事前に出す質問と、当日戦略的にぶつける質問を分ける
- ヘビーな質問は後半に
- どうしても欲しいコメントを想定する
- 時間にも心にも余裕を持つ
ただし「これまでにない切り口、独自の視点を探す」は、相手が大物の場合は無駄骨に終わるかも知れません。
僕の実体験ですが、「チームラボ」の猪子寿之さんにインタビューしたことがあります。率直に言ってしまいますが、猪子さんのインタビュー記事は誰がやっても全部一緒です。というのは「チームラボ」の広報担当者が厳しく目を光らせており、彼らのチェックを受けた記事は全部いっしょになってしまうからです。
猪子さんが有名人とする対談や鼎談に関してはこの限りではありませんが、一般のライターが担当するインタビュー記事が没個性から免れる術はありません。仮に尖った質問をしても、そして猪子さんから言質を取ったとしても「うちの猪子はそんなことは言いません」と広報さんから撥ねつけられてしまいます。
大手企業や芸能人相手の仕事でも垣間見られることではないでしょうか。
取材中はこんなことを考えている
林さんは取材中、以下の点に注意を払っているそうです。
- 常に取れ高を考える
- 見出しに取れる一言はあるか? この話で何文字ぐらいの原稿が何本書けるか?
- 会話のテンポ、相手のテンション
- 相手の言いたいこと、要点を都度都度まとめる、言い換える。「こういうことですよね」→「はい」
- 突拍子のない質問をぶつけてみる
- 「ちなみに」を効果的に使う
- 取材後の余談で聞く
- 「雑感」を記しておく
「相手の言いたいこと、要点を都度都度まとめる、言い換える」は重要なテクニックです。相手は「きちんと話が通じているんだな」と安心できますし、ここから話が興に乗ってくるかもしれません。
「ちなみに」を効果的に使う、は唐突かつ失礼な質問を切り出すときに使えます。「ちなみに彼女はいますか?」など、プライバシーに踏み込む一手でつかって下さい。個人的には「ところで」にも同様な機能があると思います。
「取材後の余談で聞く」は、取材を一旦締めた後、雑談をしているときに質問するという意味です。取材後の移動中などに、インタビューイーがぽろっと重要な発言をすることは少なくありません。それを逆手にとって、インタビューが終わった後の雑談を装って、敢えて大切な質問をしてみるというテクニックです。
「雑感」というのは、相手の服装や第一印象、会場の様子など発言以外の部分のメモです。
いかがでしたか?
僕は講義内容を書き下しただけですが、本質的なノウハウが簡潔にまとめられていると思います。
ぜひ役立てて下さい。
今日の記事は以上です。
またのお越しを、お待ちしております!