メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

新聞記者の文章修行法がすさまじい件

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ども。檀原(@yanvalou)です。

数日前、「建築関係の業界新聞で3年間記者をしていた」という女性と話す機会がありました。
そこで聞いた話がすさまじかったのでシェアしたいと思います。
新聞業界、想像以上にキツイ世界ですよ。

「入社後、どうやって文章修行したんですか?」
「初日、いきなり現場に放り込まれ、“夕方の〆切までに書き上げなかったら紙面に穴が開くぞ”と言われました」

「1番きつかったのは某社長のインタビュー記事。取材終了後、40分以内に提出しないといけないんです。他社の記者3人と合同だったんですが、3人とも急いでマックに駆け込みました」

こういう環境なので耐性のない人間は次々と辞めていくそうです。
そりゃそうでしょうねぇ。

彼女は結婚を機に「これ幸い」と寿退社したそうです。
しかし自分の会社以外の場所で書いたことがなく、ライターとして自分がどの程度か測りかねているのだとか。

「新聞記者」というと朝日、読売、毎日、日経といった全国紙をイメージします。彼らは難関な就職試験をくぐり抜けたエリートたちですから間違いなく優秀なのでしょう。

しかし世の中には地方新聞や業界新聞も存在します。
むしろこっちの方が数の上では多いくらいです。
彼らはどのくらいのレベルなのでしょうか?

いままでに地方新聞の記者数名と話をしたり、取材されたりした経験が何度かあります。
率直に言って、そこまですごいと思えないんですよね。

物の見方が型にはまっているというか、浅いというか。
ひとつのテーマを継続して追いかける機会の少なさが、関係しているのかもしれません。

新聞記者の態度にも、首をひねるような思いを何度もしています。

東京ビッグサイトで毎年開催されている書籍の見本市で、某新聞の記者と名刺交換した際のことです。唐突に
「あなたたちはネット上の記事を勝手にコピペしていますよね? どうしてそんなことをするんですか?」
と詰め寄られ、開いた口がふさがらないことがありました。
この記者は「ライター」と呼ばれる人間が、一人残らずネットの記事をコピペして記事を書いていると頭から信じ込んでいるらしいのです。

ある地方新聞に企画を売り込んだときも酷かったですね。
顔見知りの記者に違う部署のデスクを紹介してもらった上で企画概要と初稿を送ったのですが、書き直せと言われました。
そこで2稿を送ったのですが
「これ以上あなたの原稿を添削する暇がありません」
というすごい言葉とともに断られました。
「書き直せ」と言われただけで、赤を入れられた覚えはないのですが、新聞の世界では具体的なダメ出しをしなくても、添削したことになるのでしょう。

もちろん地方新聞にも優秀な人はいます。
たとえばオウム事件で有名になった江川紹子さんは、神奈川新聞の記者でした。
地方新聞だから、業界新聞だから、とレッテル張りして一律に論じるつもりもありません。

しかし地方新聞のデスククラスの人たちのプライド高さ。
かつて某社に企画の売り込みをしたときに。
どこの馬の骨ともしれないライターなんかと新聞社は天と地ほどの開きがあるんだよ!」
と言わんばかりの上から目線で対応された身としては、その自信の根拠に興味がありました。

しかし今回の件で根本的な部分が垣間見えたように思います。
現場でしごかれた経験。
「これだけキツい現場をこなしてきたんだ。その辺の馬の骨と一緒にされちゃ困る!」という自負心が、あの態度につながっているんでしょうね。
もちろんお給料の良さや社会的信用の高さも、自信につながっているんでしょうけれども(笑

たしかにふつうにライターをしていると、「取材40分後が締め切り」なんて経験をすることはありません。
命じられてもきっと出来ません。
そういった意味で、ライターの世界は甘いのかもしれませんね。

この件をSNSに書いたところ、以下のような反応がありました。

私も地方新聞記者出身です。弱小メディアでしたので他社より出稿締切が早く(大手他紙の配送車に便乗して新聞販売所に届けてもらっていたので)、ネットのない田舎での記事執筆は時間&最寄WIFI探しとの闘いでした。でもそのおかげでかなり文章修行になったかな。

つまり

文章上達のコツは、タイトな締め切りを日々切り抜けること

というのが、新聞記者流の文章修行ということになるのでしょうか。

文章術のテキストには決して載っていない方法ですね……。
確かに上手く、早くなりそうですが、恐ろしい……。

今回の記事は以上です。
またのお越しをお待ちしております。