メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

5年ぶりにトークイベントに登壇して感じたこと

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ども。檀原(@yanvalou)です。

1月20日トークイベントを開催しました。
イベントを主催するのは2年ぶり。人前で話すのは5年ぶりでした。
今回はそのときの一人反省会と改善策について書こうと思います。

近年トークイベントが花盛りです。
このブログの読者の中にも人前で話す機会をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。
この記事を参考にする方がいるその一方で、逆に物足りずにアドバイスを送ってしまわれるような方もいるかもしれません。
ボチボチお付き合い下されば、と思います。

イベント概要

イベントの概要は以下の通りでした。

登壇者(敬称略)
自分(ライター)
田辺銀冶(講談師 講談協会二ツ目
松沢呉一(ライター)

進行:
銀冶さん→檀原→三人で鼎談

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会場は神保町のフリースペースで、キャパは30~35くらい。
「ギュウ詰めすれば50いけるかも」くらいの大きさでした。

出版記念イベントでは、既に買った参加者とこれからの参加者がいる

今回は出版記念イベントでしたが、この手のイベントには2種類の参加者が入り交じっています。
既に本を買っている参加者とこれから買う参加者です。
今回のイベントでは、大づかみした内容は講談師の田辺銀冶さんが熱演してくれるので、僕は主に拙著に目を通している層に向けた内容にしました。

一説によると、分かる/分からない比率を8:2くらいにすると観客は「勉強になる会だった」と感じてくれるようです。
そこで多少飛ばし気味にしても良いだろうと考えました。

話したい内容は多岐に渡ります。たぶん事細かに話すと3、4時間くらい掛かるでしょう。もちろんそんなに長時間一人で話していたら、観客は飽きてしまうにちがいありません。
したがって拙著に未掲載のエピソードや写真などをふんだんに紹介しつつ、肝となる部分を駆け足しながら紹介していく構成になりました。

しかしながら銀冶さん目当てのお客さんにはキツかったようで、以下のようなツイートを頂いてしまった次第です。

こちらが不慣れなせいもあるのかも知れませんが、実際問題として8:2で話している人、あまり見かけませんものね。
すこしやり過ぎたかも知れません。
しかも本が出たばかりだと、どうしても内容全体を伝えたくなるものです。
これはもう、どうしようもないことですが、それでもあえてポイントを絞るべきだったと思います。
ポイントを絞った上でカットした内容や裏話をするのが得策です。

ポイントを2つ程度に絞り込んで、残りは「本で確認して下さい」とやれば、上記の消化不良感はある程度解消できたと思います。
たぶん講演会慣れしている人はそうしているのでしょう。

一方の銀冶さんは、さすがの安定感。

 

話芸の巧みな話し手の語りで勉強する

YouTubeで朗読音源を聴いているときに発見したのが、文芸批評家の多岐祐介さんです。

『文学の旧街道 作家論』によるプロフは以下の通り。

文芸批評家。日本大学芸術学部文芸学科講師。1949年新潟県柏崎市生れ。早稲田大学第一文学部日本文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

現在は日芸のほかに、早稲田大学第一文学部文芸専修室でも教えているようです。

Twitterでのプロフ
 ▼

twitter.com


多岐さんは、2か月に1度、酒場で飲食しながら楽しんでいただく講義 (トーク・ライブ) をやっていらっしゃり、過去23回分のライブ音源がすべてCD化されているそうです。YouTubeに上がっているのは、その一部なのでしょう。

そこらの冴えないオッサンが、ふらりとやってきて、アタマもシッポもない話をして、さっさと帰った。でも話は、あんがい面白かった、という講義が理想」という多岐さんの話芸を、まずはお聞き下さい。

「お聞き下さい」と言っても、頭の1~2分再生しただけでやめてしまう方が大半だと思いますが(笑

でも多岐さんの講義が「話芸」の領域にまで高められているのはお分かり頂けると思います。

トークイベント当日まで、多岐さんの講義を何度か聴きながら勉強しました。
とはいえ、やはり人前でしゃべっていると段々「いつもの自分」になってしまうんですよね。
これではいけません。

おおよそ昨今のトークイベントは複数の人間が壇上でしゃべる形を取っています。
したがって一人で話す形式で参考になる実例は意外と少ないです。

「そうか? TEDとかあるし、一人語りも多いじゃないか!」と反論が上がりそうですが、自分の意見や考えを述べるのと取材で調べ上げた事件なり、一人の人物の全体像なりを話すのとでは勝手が違います。
これはやってみないと分かりづらいので共感を得づらいでしょう。

僕が参考にしたのは上記の多岐さんや、図書館で借りてきた開高健の講演会の音源でした。
TEDもいいんですが、畳みかけるようなテンポのものが多く、情報量が多いトークの場合は考えた方が良いかもしれません。

自立式スクリーンが便利!

今回の会場にはスクリーンがありませんでした。
大抵のイベント会場にはスクリーンがありますから、スクリーンで悩むことは少ないでしょう。
いざとなったら壁に映写するという手もありますしね。

しかし今回は講談と一緒でした。
つまりステージに釈台が載っている訳です。
この釈台との兼ね合いに困りました。

通常ですとスクリーンは天井からつり下げるパターンが多いと思います。
しかし今回は吊すと良いところにスクリーンが来てくれないのです。
そこで検索したのですが、「自立式のスクリーン」という便利な物があるのですね。

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これならスペースさえあればどこにでも立てられますし、組み立ても収納もワンタッチです。
あまり活躍する機会はないかも知れませんが、覚えておくと便利かも知れません。

 

打ち合わせについて

全体の進行や舞台のセッティング、チラシの作成などについては僕と銀冶さん、それから会場を提供してくれた劇団コラソンのカツラギさんの三者間で事前協議しました。
しかし鼎談に関してはまったく打ち合わせなし。

これは松沢さんが「30分程度であれば、打ち合わせはいらないでしょう」と言ったのが鶴の一声となったからです。
当初は僕と松沢さんの対談ということになっており、鼎談の直前まで銀冶さんが参加するかどうかは不確定でした。
しかしぶっつけでやってみたら大成功。

中盤で「取材は遺族などの関係者にどこまで踏み込むべきか? 許可を撮れば良いのか?」という話になりました。
個人的には銀冶さんの披露してくれたエピソードが刺さりました。

新作講談で太宰治ものをつくろうと決心した銀冶さん。
遺族の許へ行き、許可を得ようとしたそうです。
ところが遺族は「あの人のことはそっとしておいて下さい」と言って、取り合ってくれなかったというのです。

大文豪、太宰治

じつは遺族の間ではデリケートな存在なのでした。
銀冶さんは引き下がったと言います。

その一方、世の中には太宰治関係の作品が山ほど流通しています。
三鷹に行くと、「太宰ゆかりの○○」の看板が至る所にあります。
あれは全部、遺族の断りなしでやっているんですね。

なぜそんなことがまかり通るのかというと、版権を持っている出版社と交渉しているからだそうです。
(勉強になりました)

この話に限らず、会場にスムーズかつ良い感じでグルーヴがつくれたと思います。

じつは松沢さんとは、僕も銀冶さんも初対面。
しかし話すべきネタを持ってさえいれば、ギュッと内容の濃い話が出来てしまうのだと思いました。

以前テレビ番組が、野村萬斎コクーンで芝居を上演するときの舞台裏の模様を追っていました。
驚くべき事に、萬斎さんたちはたったの5回しか稽古しないのです!
5回といっても諸事情あって、実質3回みたいなもの。
それでもなんとかしてしまうのがプロです。

トークと演劇ではかなりちがいますが、材料さえあれば案外なんとかなるものだと思った次第でした。

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会場のブログです。
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観客の一人、横浜のはげまるさんのブログ。
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おわりに

刺激的な体験をさせていただいた登壇者の方々、それから的確なオペをして下さった小屋の田中さん、コラソンのカツラギさんには感謝の言葉しかありません。

ただ個人的には「定期的に人前に立たないと、サビ付く一方だ」という思いもあります。

そんなことを考えているなかで、なんと次の機会が決まったのです……。

2月26日、南青山マンダラ。
ダンスの公演のアフタートークです。
なんか今回も打ち合わせはないっぽい……。

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めいいっぱい楽しみたいと思います。

今回の話は以上です。
またのお越しをお待ちしています。