メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

インタビューは喜ばれる仕事だと思う

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ども。檀原(@yanvalou)です。

ライター仕事のひとつにインタビューというものがあります。
取材の一種ですが、師匠のいない駆け出しのライターにとって勝手が分かりづらい仕事のひとつです。
先輩ライターの横について OJT 的なことをするチャンスがない Webライターの卵たちは、特に困っていることでしょう。

以前のエントリー「インタビュー相手に謝礼を払うべきか」で書いたとおり、僕の最初のインタビューは画家の金子國義さんだったのですが、インタビューの現場に居合わせた経験はなく完全な手探り。ミニコミ誌の編集長(といっても素人)と二人で金子さんのお宅でお話を伺ったのが最初でした。

今までで経験したなかで「もっとも緊張したインタビューベスト3」に入ります。
ちなみに残りの二つは「初めて海外で挑戦した英語インタビュー」、もうひとつは……まだ考えてません(笑

インタビューの種類

インタビューというのは、大体以下の四つに分類されると思います。

  1. 一般人から歴史的事実や過去に(ときには最近)起きた出来事を聞く
  2. 企業、店舗、各種法人などから経営内容や商品、サービスなどの話を聞く
  3. 文化人や有名人から活動状況を聞く
  4. 特殊な趣味や活動をしている一般人から話を聞く

人物紹介、横顔紹介のようなものから特定のトピックに応じた話題まで、一口にインタビューといっても幅があります。

僕にとって一番なじみ深いのは 1.です。
2.もそこそこやってます。
3.は常々やってみたいと思っているものの(というか、こういうことがやりたいからライターをつづけているという部分があります)、ほとんど縁がない分野。
4.はやったことがないものの、やったら面白いだろうな、という分野ですね。

初心者が知りたいのは 2.のノウハウですよね。

僕はアポ取りに苦労した経験はないため、その部分は省略します。
よっぽど間に合っていない限り、あるいはよほど偏屈でない限り、大抵の所は取材 OK なんじゃないでしょうか?

店舗取材、とくに飲食店はランチとディナーの間の休憩中や開店時間前を指定されることが多いため、お客さんへの配慮が必要なケースは意外と少ないと思います。
もちろん物販系の店舗の場合は配慮が必要です。
(ここまで書いてきて、小売業の取材はあまりしていないことに気がつきました。
もちろん過去記事の pupi et mimiGOOD SMILE のようにある程度の数はこなしています)

www.yanvalou.yokohama

www.yanvalou.yokohama

取材が OK となった時点で写真撮影を拒否されたことはありませんが、「これを写して欲しい」とか「これは写さないで」という希望がある場合は、相手の希望通りにするのが基本です。

企業や店舗の取材の場合、相手方はプロモーションのために時間を割いてくれています。
だから出来るだけ、相手の希望に合わせるのが礼儀です。
とくに休憩時間を削って取材に応じてくれている場合は、インタビューイーへの気遣いを心掛けたいものです。

みんな話をしたがっている

店舗取材に行くと感じるはずですが、流行の店は取材慣れしています。
何を言うべきかよく分かっているので、取材が楽です。
だから初心者君が行っても、だいたい上手くいきます。
撮影にしても撮られ馴れているので心配ありません。
短時間で何件も取材しなければならない場合、比較的楽な相手と言えます。
(とは言え、料理人にはヤンキー気質な人が多いので緊張することも多々あります)

しかし売れている店舗で取材の醍醐味を感じることは、あまりありません。
面白いのは取材馴れはしていないが、話すべきネタをたくさん持っている無名の対象が相手のときです。
話慣れしていないので、つい無防備に個人的な深い話をぽろっとしてくれます。
原稿には字数制限があるし、メディアのカラーというものもあります。
だからその深い部分を書ける保証はありません。しかしインタビューの面白味を感じられる瞬間にはちがいないのです。

それからインタビューが終わって雑談しているとき、あるいは送り出ししてくれるときなどに、深イイ話がでることが多い傾向があります。
たぶん話し手の緊張がほぐれたからでしょうね。

結局みんな自分の話をしたいのです
自分の体験談を語りたい。
しかし身近な人間に断片的な話をすることはあっても、順を追って体系的に話す機会はありません。
それが日常というものです。
インタビューという場においては、自分の考えをまるごと披露できます。
やってみれば分かることですが、インタビューは意外と相手から喜ばれる仕事です。
なぜならみんな自分のことを話したいからです。

世界にはどんな地味な場所にでも、かならず調べたり、伝えるに足るだけの物語があります。
人口1万人以下の小さな町にも、面白い出来事は転がっています。
書き手がネタに困ることはありません。
それこそ書くことは無限にあります。

このブログで「未公開取材記事」にカテゴライズされている記事は、そのほどんどが名もない市井の人たちを取り上げています。
会社がアポ取りした所を廻っただけで取材先を選ぶ余地はなかった訳ですが、つまらないと思った事はありません。
嘘でも誇張でもなく、誰もが皆、価値ある物語を披露してくれたからです。

問題はそのネタを預けてしかるべき器が足りないことですね。
この話はまたいつか。

そうそう。
初心者の皆さん、店内の撮影にいくときは、広角レンズがあった方がよいですね。