メケメケ

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町工場や倉庫がひしめく運河のほとりから、セカイに向けて書き綴るブログ。

インタビュー原稿を書き上げるには、どのくらい時間がかかるのか?

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ども檀原(@yanvalou)です。

先日「Yahoo!知恵袋」にこんな質問が投稿されていました。

インタビュー原稿の作成について。

先日会社で作る冊子に載せるためのインタビュー記事を作成したのですが、テープ起こし(8000文字ちょっと、インタビュー時間は1時間程) → 本文の作成(3400文字程まで減らして文章を切ったり貼ったり)の作業に7〜8時間ほどかかりました。
内訳としては、文字起こしに4〜5時間程、本文の作成に3時間程です。

こういう作業が初めてのこととはいえ、時間がかかり過ぎたように感じます…。
作業自体は楽しかったのですが、普通どのくらいの時間で済ませるのがいいのでしょうか?
メモは取っていたのですが、取り方が悪くて役に立たず…。
どなたか教えてください!

ライターにノウハウを伝授する書籍やブログは山ほどありますが、こういうことを教えてくれる著者やライターはいないと思います。

かく言う僕も、時間のことは気になっていました。
なにしろ自分が作業する場合しか知りませんからね。

フードライターの白央篤司さん(著書に『にっぽんのおにぎり』『ジャパめし。』他)はこの質問に対して次のようにツイートしていました。

おお。白央さんでもこれくらい掛かるんですね。
一安心しました。
僕の回答は以下の通りです(知恵袋に回答しました)。

インタビュー記事は結構たくさん書いていますが、同じくらい時間がかかりますね。
あまりにも時間がかかるので、いまは原則テープ起こしはしていません。
取材中に取ったメモだけで原稿にしています。
メモから原稿で、1,500〜2,000字であれば最速1時間、標準2時間ちょっとです。
(別途推敲時間がかかります)

昨年の秋、尊敬する有名作家にインタビューしました。
相手が大物作家ということもあり、「変な文章は見せられない」と考えて、ものすごく久しぶりにテープ起こししました。
そのときは取材時間は2時間くらいだったでしょうか?
採算度外視して全力出したこともあり、原稿にするのにほぼフルタイムで働いて1週間かかりました。
(さすがに時間を掛けすぎだと自己嫌悪しましたが、ものすごく不安で、推敲に推敲を重ね、ファクトチェックや予備リサーチに膨大な時間を掛けました)

そういう訳ですから、質問者さんの時間は、そんなものだと思います。

あとはインタビュー中にノートパソコンでメモを取ってしまうとか、色々工夫して時間短縮して下さい。

上記回答に出てくる「尊敬する有名作家」ですが、ドイツ在住の小説家、多和田葉子さんです。

何しろ多和田さんと言えば日本語でもドイツ語でも詩と小説を書く作家で、どちらの国でも文学賞を受賞している大家です。芥川賞芸術選奨文部科学大臣賞のみならず、ドイツのゲーテメダルやクライスト賞も取っています。おかしなインタビュー原稿はお見せできません。久々に肚の底から本気出しました。

そんな原稿はこちら。ちょっと長いですが。

多和田葉子さんインタビュー〜ビルドゥングスロマンとしての〈ライター・イン・レジデンス〉 « マガジン航[kɔː]

ちなみに上記インタビュー原稿ですが、バリバリ稼いでいることで有名な某Webライター(♀)に「あなただったらどのくらい掛かりますか?」と訊いたところ「6時間くらいかな」と言っていました。
なにかが根本的にちがうのでしょうね。

他の人たちはどうでしょうか?
テープ起こし職人とライターを兼業している人はもっと早そうですね。
差し支えなければ、あなたの時間を教えて下さい。